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コラム column

トムソンといっしょー19

Tale of Tomson-19,  トムソンといっしょ


2011年3月11日、驚天動地、前代未聞、青天霹靂、なんといっても言い尽せはしない東日本大震災発生。近代からの日本にとって太平洋戦争敗戦に次ぐ甚大な被害をもたらした災害が発生した。北海道、札幌市では午後の落ち着いた時間だった。僕はのんびりソファーで午後の居眠りをしていた。ゆっさゆっさと揺れて、収まるかなと思ったけれど続けて揺れてずいぶんと長く感じられた。マンションの上の方の階にいる仲間にはずいぶんときつい揺れだった。思わずワンワン吠えてしまったらしい。
福島、宮城、岩手の海岸地方では地震の後、高さ30mにも達する巨大な津波が押し寄せてきた。高さ10mの防潮堤は易々と乗り越え莫大なエネルギーを放出しつつ、建物も樹木も根こそぎ取り壊し遥か海上に運び去っていった。人も車も動物たちも一切合財全部が怒涛の大波に飲み込まれ、さらわれて行った。同時刻に福島原子力発電所の被害も想像を絶していた。巨大津波による建物の徹底的破壊は云うに及ばず、予備電源消失により、冷却水を失った核燃料棒格納容器の温度コントロールが不可能となり、1号機、2号機、3号機とも爆発。メルトダウンによって莫大な量の放射能が空中に放出された。福島、茨城、千葉、宮城、東京、長野へと放射性物質の拡散が続いた。海上にも同様の放散が起こって広がった。「想定外」とはいえ、少なくとも予備電源の設置場所が地震と津波に対して考慮されているべきであった。2012年3月時点で死者15,854人行方不明者3,155人にのぼる巨大災害であった。黙祷。

4月1日、宮城県気仙沼沖、地震の日から20日。漂流物捜索中の海上保安庁のヘリコプターが、1.8kmの沖合を漂流する直径500mほどの瓦礫群の中で歩き回っている犬を発見。浮遊する住宅の屋根の上にいたところを特殊救難隊が無事救出した。2日午後、海上保安庁の巡視艇で港に戻り、健康状態良好であった。翌日にはTVを通して飼い主が見つかり喜びの家族の下に帰ることができた。
すごい、すごい、すごい、としか言いようがない。見たところ秋田犬のようだけれど、名前はバン、雑種、2歳の雌なんだって。僕と同じで、ミックスは強いんだよ。だけど、どうやって3週間も生き延びたのだろうか?!津波の非常な奔流に巻き込まれて、運よくポッカと海面に顔を出すと屋根が浮いていて飛び乗ったのかな、それとも、気が付いたら海に浮いた屋根の上にいたのだろうか?水や食べ物はどうしたのかな、まさか海水を飲んだんじゃないだろうし、魚釣りをしたのかな?雨水や雪をなめて生きてきたのかな?衰弱しているようには見えなかったけれど、食べ物もなしで、どうやって生きてきたのかな?聞いてみたいよね。まったく、犬の誉れ、だと思った。僕にはとっても出来ないけれど、南極で1年間を生き抜いたタロとジロもそうだったように、僕の種族には、人間には考えられない奇跡的行動で生き抜く術を発揮する仲間がいるんだ。この知恵を人間にも分けてやりたいと思うこともあるよ。(#^.^#)  そして、24日ぶりにお母さんと再会できたんだ!すごいね、よかったね、本当の奇跡だよね、感動いっぱいの事実なんだ。酷い災害の中で元気が出てくる出来ごとだよね、本当に良かった\(^o^)/ 助けてくれたのは人間なのだから、やっぱり人間の能力は最高にすごい。困難を押しのけて、きっと、ちゃんと復興・再建が出来るんだと思っている。
                                                               2012年3月

たむら小児科
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