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コラム column

トムソンといっしょー22

ale of Tomson-22
トムソンといっしょ-22
最後の旅行・・・丸瀬布へ。「まるせっぷ」ってどこにあるかわかるかな? 札幌からはずいぶん遠くなんだけれど、高速道路を行くとそうでもない。3時間くらいかな。旭川行きの高速に入って終点の比布(「ぴっぷ」って云うんだよ、ヒップじゃないよ)から、大雪山系の北の端を東に向かって横断して、行き着いたところ。どうして丸瀬布に行ったのかって? なお兄ちゃんがその町で仕事を始めたんだ。お父さんとお母さんが「行ってみようか」って、話しているのが聞こえた。「まだ寒いから、もう少し暖かくなってからだね」なんて云ってる。
春の暖かい光があふれて明るい朝が始まった4月の日曜日。お母さんが、「行こう!行くよ!トムソンもいっしょだよ!」って、お父さんと僕を叩き起こした!「大分弱ってきたから、最後のドライブになるかもしれないけど、留守番はいやだろうから」って云ってる。「欣喜犬躍」といきたいところだけれど、体が思うようには動いてくれなくなった。尻尾を振るのだって力が出ない。だけど行くよ! 知らない街、なお兄ちゃんの家族がいる街、新しい仕事場、早く見たい!
高速道路のドライブはつまらない。景色なんかはどんどん飛んでいく。ゴーゴー風きりの音が大きい。シャンソンの「桜んぼが実る頃」が流れている。お母さんといっしょに後ろの座席で寝そべっていた僕には空の青い色だけが見えていた。この時はまだ、3週間後にはみんなに「さよなら」を云わなければならなくなるなんて、思ってもみなかった・・・・。
 丸瀬布は、林業の町だった。道の駅で昼ご飯を食べて、なお兄ちゃんの家に行き、初節句のジョー君とみんなで写真を撮った。僕もお母さんに抱かれて笑ったつもりになった。   生田原のちゃちゃワールドは、大きなお城のような博物館、木製のいっぱいの玩具、藤城清治さんの影絵館が圧巻だった。僕はず~っとお母さんに抱っこされたまま。「いいな~」と思いながら、ゆったりした時間を噛みしめていた。だけど、あっというまに帰りの時間が迫ってきた。夕方は急に寒くなって、道路が凍りつくかもしれない。車が走れなくなったら大変!大急ぎで帰りの道をごんごん飛ばして、無事帰りついた。良かった、ホッ・・(#^.^#)。
帰り道では、若い時に行った積丹半島のドライブを思い出していた。積丹ブルーの海を見下ろして、半島の先っぽまでぐんぐん歩いて、はまなでしこの花のそばでお姉ちゃんに抱っこされて写真を撮った。海の音を聞きながら、疲れを知らないで、いくらでも歩けたし、平気だった。羽幌の海岸では、押し寄せる波の大きさと音にびっくりして、離れて水平線を眺めていた。いっぱいの車の旅、みんなといっしょの旅、良かった\(^o^)/ 思い出せる記憶が沢山あって幸せで胸がキュンとなって、なんか涙が出てきそう。歳とって、涙目になるのは意味があるんだ、結膜炎なんかじゃない。鼻涙管閉塞なんかじゃない、記憶の映像が浮かび上がって、関連した物語が思われて、もう戻れない時間に悲しみ中枢が反応するからなんだ。
2012年4月

たむら小児科
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